やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

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なお、このブログは、2019.08.06 をもって、記事の更新は終了とします。 

 

やぎさんのオリジナル泳法のすすめ 記事分類 目次

【目的・概論】

 

【泳ぎ理論考察】

【クロール】

 

【やぎロール】

【背泳】

【平泳】

【バタフライ】

【その他の泳法】

【片腕シリーズ】

f:id:mehme:20151231195419g:plainやぎイルカ泳ぎ

62. 最後に ― 水泳と健康(その2)

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さて、最後にと銘打って、前回は物理的な面を中心に書いた。
今回は、健康面の残りの部分について書きたいと思う。

泳ぐプールを乗り換えてから、3か月たったころ、10年抑えられていた痛風の発作が突然再発した。これにはびっくりした。もちろん、プールが直接的な原因ではない。しかし、これに関わる生活習慣的なことである。

一概にはいえないが、公営プールに行くようになって、生活習慣で大きく変わったことがある。

水泳のあとの風呂・サウナがなくなったことである。それまでは、ゆっくり風呂に入り、ミストサウナで汗を流し、とくに腹を温めるのに留意したものだった。それは、免疫機能を高めることが目的だった。事実、この5年間ほどは、白血球の数が多く、リンパ球の割合も満足のいくものであったのだ。

今は、どうしているのか。

今は、内湯に入りはするのだが、面倒ゆえ、隔日になり、それも、ゆっくりは入っていないのだ。

それと、今回の予期せぬ痛風発作が、どのように関係するのか。

痛風患者は、激しい運動をしないほうが良い。急激に体内で尿酸が産生され、血中濃度が高まるからである。
それゆえ、水分を多く採り、尿量を多くしなければならない。汗をかいただけでは、全く、尿酸は体外に排出されないからである。

だから、今回発作の原因として、一番に考えられるものは、前日に行った機器トレーニングだ。
これまで何年もやってきていなかったのに、近くにある施設を活用しないわけはないと、プールが休みだったので、頑張ってしまったのだ。

おりしも、前々日が、定期通院で血液検査をしてきたところであった。
若干高めになってきてはいたが、血中尿酸値はまだ許容範囲で、順調であると確認したばかりだったのだ。

でも、汗をいっぱいかいた。
そうしたら、てきめん、次の日から足の母指球が腫れた。
水をとらなかったわけではなかった。注意して水をたくさん飲んだつもりではあった。

しかし、直前に調べた血液検査では、もうひとつ、気になる点がなかったわけではなかった。
白血球の数である。自己免疫能力の指標として、わたしが注目してきた項目である。これが、いつもより少なくなっていたのである。もっとも、これは変動の激しい項目であるので、たいして気には留めていなかった。

ともあれ、急な発作にいぶかしく思いながら、この痛風発作が治ってから、ひと月半ほど経った最近のことである。

プールから帰った後から、どうも体調がわるい。

そして、次の日から、鼻の奥と喉に痛みを感じ、発熱。その後、痛みは引いたが、上気道の痒みや咳に襲われるようになった。4日ほど経ってから、38.5℃以上の高熱に見舞われるようになった。これはインフルエンザとは全く違うものだった。インフルエンザは初期のころからポーンと熱が上がり、身体の節々の痛みと頭痛に襲われる。そして高熱が出っぱなしで、3日間我慢するのだ。

それに比べて、今回の病気は、午後から熱が上がり、朝には下がるというもので、節々も痛くなければ頭も痛くない。しかし、咳には苦しんだ。耳鼻咽喉科で投薬された抗生物質と去痰剤等の薬を飲んだら、おしっこが極端に出なくなった。と思ったら、またしても、左足の母指球が腫れあがってきたのだ。

またまた、痛風の発作の連続である。

病気の経過などは、お伝えしても意味がないので省略するが、要は、「頑張りすぎも、頑張らなさすぎもだめよ」というお話である。そして、免疫力増加には留意したほうが良いですよということである。

還暦すぎたわれわれにとって、もう、頑張りすぎはだめである。そもそも、頑張れないだろうから、あえていうほどのこともないのだろう。
しかし、年寄の冷や水というか、頑張ってしまうと、関節を痛める、筋肉を傷める、筋を攣る、疲労困憊してしまう。頑張りすぎてよいことはない。

逆に、「あんまり頑張らないのもどうか」ということもいえる。何事も中庸がよい。
なぜか?

少しは頑張らないと、有酸素運動にならず、運動量としては少なすぎるということがいえる。
そして、それよりも心配するのが、「冷えにご用心」である。プールは冷えるのである。ウォーキングレーンでも端っこで井戸端会議をしていう人たちを良くみかける。

冷えると、血行が悪くなり、筋も攣る。それから、お腹が冷えてしまって、自己免疫能力が下がってしまうと私は心配し、経験的にもそう信じている。

そうすると、何にも悪い。病気にかかりやすくもなる。プールでの感染も、元気なら、ワクチン代わりになるなどと豪語できるけれど、やわっちい身体になってしまうと、結構、病原菌にも気を付けなければならない。

だから、勧めるのである。

「やぎさんのらくらく健康スイミング」をどうぞ!


このブログも、始めてから4年半になった。これまで、投稿数は69、アクセス数は、5万8千ほどであった。
とくに、皆様のご興味が高かった記事を2つ挙げれば、「泳ぎの基礎理論」と「2ビートのらくらく背泳ぎ」であった。

ともあれ、予想に反して、これだけ読んでくださった方々がおられたことには、驚いている。
水泳が好きな方々が多いだけでなく、自分の泳ぎを見つけたいという方が多いのだとも感じている。

本当に感謝である。一つでも参考になることがあったならば望外の喜びといえる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そういうわけで、このブログはここで、投稿としては一旦締めさせていただきたいと思っております。
本当に、ありがとうございました。

とりわけ、さまざまな有難い知識やご助言をいただいたチャックさんには、お礼の申し上げようもありません。

今後は、別のカテゴリーでの情報発信も検討しておりますが、とりあえず、ここでは、みなさまのご健康を記念して、お別れさせていただきます。

また、別のところでお会いできることを期待しつつ、皆様のご活躍をお祈りいたします。
本当に、ありがとうございました。

 

【目的・概論】

 

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61. 最後に 水泳と健康(その1)

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以前、誰でも泳げるようにするには、それなりの練習方法が必要だと書いた。
だから、書こうと思った。
しかし、実際に妻を教え始めて、結構困惑することが多かったのも事実。

ひとは、実に様々な個性を持っている。そう書いたのは、おのれ自身であった。
身体的個性もさることながら、精神的個性も大きい。
頭で泳ぐ人もいれば、理屈は苦手で身体で覚えていくひともいる。
いわれたとおりにする人もいれば、全く、いわれたことなど聞いていなかったと思えるようなひともいる。

それも個性だ。

だから、学び方も、教え方も、一致しないとうまくいかない。

それに、環境も大事だ。混雑しているプールでそんなことはできない。結局クラスに入らざるを得なくなるのも納得できる。

まあ、一般的なことは書けるかもしれない。しかし、それはやめた。多分役に立たないだろうし、いくらでも参考にできる情報もある。

そんなわけで、もうそろそろ、このブログへの投稿を終わりにしようと考えている。
そこで、最後に、このブログの初心に戻ることとし、水泳と健康について、もう一度触れて、それからお別れしたいと思う。

さて、このブログは、ゆっくり、らくに、優雅に、楽しく、美しく泳ぐことを目標として書き始めたつもりである。
それゆえ、読者としては、特に、年配の方々を念頭に置いて書き進めてきた。若い人には、物足りなかっただろうとも思うし、おそらく、読んではいただけなかっただろうとも思っている。
そもそも、読んでいただこうなんて、そんな烏滸がましいことではなく、忘れん坊のための自分の記録として書き連ねてきたのであった。

水泳は、良いことばっかりだと最初に書いた気がする。
全身運動、肩こり解消、呼吸器の鍛錬、皮膚の鍛錬、等々である。でも、もう、それを繰り返すことはしない。

何事も、良いことばかりあるはずもない。何事も、両面はあるのだ。
それゆえ、最後に、老爺心ながら、記してこなかった反面にも触れつつ、最後に、もう一度、らくらく健康スイミングを、改めておすすめして、わたしのお別れとさせていただきたい。

水泳をする人は、いろいろな環境でするだろう。
ジャグジーやお風呂・サウナの揃ったスポーツジムであったり、公共プールで、シャワーしかないところもある。さすがに年間を通して泳ぐ人は、温水プールで温水シャワーのでる施設を利用しているに違いない。
かくいう私は、これまで、前者のジムで5年ほど泳いできた。しかし、水質等に嫌気が差したために、5か月前に、公営プールに鞍替えした。

なぜか?

公営プールのほうが、はるかに水の透明度が高かった。向こう岸の壁がはっきり見える。妻の泳ぎも見えるから指摘もできる。
監視員も溌溂としていた。何より、使用料も安く、6分の1となった。手続きも出入りも簡素でよい。いいことづくめであるが、制約もある。まず、風呂などない。シャワーは、濾過再生のため石鹸類も使えない。利用できない時間帯が不規則に結構ある。土日は特に混む、などである。

そんなところで、数か月泳いできたが、結構危険なことも多いことに気が付いた。

それは、衝突である。

固定メンバーではないので、予測不能なことも多い。その中には、平気で真ん中を泳ぐ人がいる。
妻は、肩や足を殴られるのは日常茶飯事としても、一度は、頭が正面衝突して、脳震盪を起こしかけたことがある。
つまり、対面交通のこっち側に入ってきたおっさんがいたのである。
わたしなどは、なんとか避けるが、背泳では、みごと隣のコースから伸びてきた手に、見事、金玉を掴まれてしまった。びっくりしたのなんのって、初めての経験だ。止まって、となりのコースをみたら、やさしそうなおばあさんが、悠然とむこうに泳ぎ去っていくところであった。

このような事故は、単に下手だったり、ゴーグルをかけていないといったことだけで起こるのではなく、これを助長する要素も、実はあった。

そこでは、ウォーキング人口も多く、そのためのエリアを3コースぶち抜いて確保しているのである。
これは助かる面もあって、このエリアでは、泳ぐ練習や浮く練習も、なんでもでき、甚だ便利ではある。

しかし、その一方で、プール全体に大きな水流を作っているのである。

つまり、一方方向に歩く必要性から、プールの端に沿った大きな水流を起こしてしまうのだ。
ウォーキングコースがあれば、少なからず水流がおこるのはしかたがない。しかし、横方向に歩く距離があると、かなり困ることになる。

例えば、隣接した、となりの初心者コースで泳ぐと、向こう岸に着く直前で、対面泳者側に、急に押し出されてしまうのだ。こわいこわい。
それに、コースでの行きかえりで、逆の水流となることも多く、向かい風と追い風の差で、要するストローク数もかなり違う。

だから、「らくらく健康スイミング」を目指すのは良いですよと、これを勧めはするのではあるが、こうした危険性にも十分配慮しなければならないということである。

さて、ここまで、物理的な面を中心に書いてきたが、結構、長くなりそうな気もする。
それゆえ、今回はここまでにすることとし、後は次回に分けて書くことにしよう。
まあ、これも、最後の、自己満足的な記録である。

 

【目的・概論】

 

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60. ハイエルボーについて思う

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ハイエルボーのハイは何のハイ?

通常、ハイエルボーが推奨されているのは、クロールにおいて、前方に出した腕の肘を水面近くに残して、手首を推定方向に垂れるようにひじを立てることを言うのであろう。

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それができる人はそれで良いが、それは、結構難しい動きだ。

というのは、単に格好だけを真似ようとして、前腕だけを下に下げようとしても肩関節が痛くなるし、そもそもできない。
しかも、前腕を無理に下げれば、反作用で下肢が沈んでしまうではないか。
だから、特に、我々還暦スイマーには無理だ。
というのは乱暴かもしれない。ただ、いえるのは、この動きは手や腕だけを動かしてもできないということである。

では、どのように行えは良いのか?

 

ハイエルボーの姿勢のとりかた
まず、結論から言うと、これは、トップスピードで泳ごうとする腕の動きだということである。

この形は、つぎのようにしてできる。
(1)できるかぎり腕を万歳方向に伸ばす。
(2)腕全体を肩から内旋する。
(3)肘の力を抜く。

肩の伸びと内旋」これが決めてなのである。これで、肩関節に無理なくできるであろう。

つまり、リカバーした腕を前方に限りなく突きこみ、思い切り上体をローリングしつつ、肩を前に回すようにして、肩や腕を内旋させる。そうして、肘の力を抜くと、水圧に押されて前腕が下がり、肘が直角に曲がるのである。同時にこれがキャッチとなる。そして、真っ直ぐ後ろに抗力泳ぎのプルを行う、という流れである。

スピードを出すには、とても良い泳ぎであると私も思う。できる人は、そうすれば良い。

 しかし、冒頭でも書いたとおり、我々還暦スイマーの多くは、健康のためのスイミングだ。短距離でガンガン泳ぐ人は、そう多くはいない。
それゆえ、私は、ハイエルボーの老人的解釈をしてみたいと思う。

 

そもそも、ハイエルボーが、なぜ必要なのか?


この答えは全世界共通だろう。
それは、最も力を出すことが可能で、効率的な泳ぎは「匍匐プル」だと、私が主張している理由でもある。
すなわち、身体の最も前方で、前腕を、水流に対して90度にする、ということであり、そのとき、肩から肘までの方向が、万歳の方向であるということである。
この腕の形が、最も水を効率的に捉えることができ、最も力を入れ易く、最も抗力を大きくして長くプルできるからだ。

大賛成である。何の異論もない。
しかし、私が問題にしたいと思うのは、このときの前腕の向きは、下向き(水底方向)でなくても良いだろうということである。

我々還暦スイマーの泳速は、速くない。
速く泳ぐには、手足だけでなく、体幹の柔軟性が必要で、それを前提に思い切り伸びなければならない。そして、最速を求めるならば、薙ぎりストロークではなく、ストレートの抗力泳ぎが求められるだろう。しかし、これは結構疲れることだ。
そうだとすれば、我々還暦スイマーは、水底方向に前腕を垂直に落とすハイエルボーを、あきらめた方が良い。

その代わり、水底方向ではなく、より水平に近い方向に、肘が自然に楽に曲がる方向に曲げるのである。

これでも、同じような結果が相応に得られると思う。
これが、私の推奨している「匍匐プル」である。

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この姿勢にいたるまでの動きには、付録が付いてくるという利点がある。
つまり、単に水底に向けて前腕を落としてキャッチを狙う「ハイエルボー」の動きに比べて、伸ばした手から、この姿勢までもってくるこの動きは、横に薙ぎる動きとして、我々相応の泳速に効果的な推進力を生むのである。これは、キャッチに代わる利点ともいえる。

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このあとの「匍匐プル」は、力強くも楽なプルである。

つまり、これは、もう一方の腕が水上から前方下方に突きこむ拮抗作用として、ローリングと共に、プルの腕が巻き込まれるようにして、自然に体幹の筋肉(大胸筋と広背筋)の力で臍まで押し下げられるという、力強くかつ効果的なプルになるからである。

 

ハイ・ローは垂直軸ではなく、水平軸で

それゆえ、私は、ハイ、というのは、天地・垂直軸の方向ではなく、水平軸・推進軸における「前方」を「ハイ」と位置づけたいと思う。

できるだけ、肘を前のほうに残し、手首を肘と同じ位置まで持ってきて、これを維持することが肝要なのである。

匍匐プルでは、これまでの概念によればローエルボーといえるくらい、肘が水平にまで下がるが、それで良いのだ。
「肘と手首が同じ高さ=推進軸において同じ座標」をとるように努力すれば良いのだ。

極論すれば、泳ぐ方向=推進軸に対して、前腕が直角をなしてさえいれば、360度、どちらを向いていても良いのだ。

ちなみに、「59. 「そこそこスイミング」の4泳法への適用(背泳編)」でのそれは、仰向けであるが故に、匍匐プルにおける、肘から手先の方向は、下図のように天を指している。

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59. 「そこそこスイミング」の4泳法への適用(背泳編)

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そこそこ背泳ぎ

腕や体を、艫のように使って、揚力を活用し、力を入れやすいところでは抗力中心に推進するというこれらの動きを4泳法に適用してきている。

この4泳法は我流であるが、今回は、4泳法の最終回、背泳ぎである。

1. 体幹の動き

背泳ぎも、やはり、うねりを利用したいものだ。
その浮き沈みは、やはり、上体のローリングによって実現される。背泳ぎでも、必ず、上体をローリングさせなければならない。上体のローリングが最も大きいときというのは、片方の腕が万歳の方向に、肩とともに目いっぱい前方深くに水没しているときである。

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このときが、上体の重心が最も下がろうとしているときであり、その腕が、プルを始めて腹の横を通過するあたりが、上体が水平になって重心が最も上がっていくときである。

このとき、推進の道しるべとなるのは頭の位置や方向であり、体幹の捩れや腹筋・臀筋の締めがうねりを手助けする。
この上下の動きも、1ストローク1周期である。

2. 腕の動き

 これは、4つの動きとなる。(a) 上向き薙ぎりストローク、(b) 匍匐プル、(c) 下向き薙ぎりストローク、(d) リカバリーの4つである。

左右非対称なので、右側のプルで説明しよう。

(a) 上向き薙ぎりストローク

背泳ぎは仰向けなのに、説明は全く、俯けのクロールと同じになる。なぜか? 原理が全く同じだからであり、ローリングして横を向いているのは、両者とも同じ状況だからである。横からローリングして下を向くのか上を向くのかの違いというわけである。

最初の図のように、右手のリカバリーが終わり、推進方向前方深く肩が沈み、万歳の方向に伸びきったところから始める。この右腕を、匍匐プルの初動位置である顔の前まで運んでくる動作である。

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深みから水面に向かって

真っ直ぐであった前腕で水を掻きこむように肘を直角まで曲げる。このとき、水は、相対的に、手の平上を、親指から小指へと流れる。下から上斜め内側に向かうスカルである。 つまり、深みから水面に向かった上向きの薙ぎりストロークになる。そして、もう一方の腕のリカバリーの始まりによって、ローリングが戻って上向きとなっていく。 

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このとき、左腕では、肩が最も水面上に突き出し、肩から腕全体を水から抜き上げる。リカバリーの始まりである。

(b) 匍匐プル

今、万歳の方向にある右肘が直角に曲げられており、目の前まで来た手の平が水面を掠めようとしている状態にあるはずである。言葉を代えれば、手の平が後方を向き、肘から手先までが真っ直ぐ天を指している状態だ。

クロールで言えば、ここから這う(crawl)のであるが、背泳ぎでは這えない。

まず、手首を前腕の延長上に固定し、水を抱えるように、前腕全体で水を押さえるように内旋させ、後方に押すのである。最も似た力の入れ方というか動きは、腕相撲に似ている。同時に強く左にローリングしていく。

ここで、腹筋と臀筋にグッと力を入れて、そのまま真っ直ぐ臍まで引き下ろすのはクロールと同じだ。このときの手の平は、力を抜き、お椀の形で、指の間は少しなら空いていてよい。

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このプルの拮抗作用として、左腕は空高く放り出されて前方斜めに落とされていく。

 (c) 下向き薙ぎりストローク

体幹を捻りながら腰付近まで到達した手の平を、内旋させながら、肘を中心に回転させるように尻の下方に向けて払う。このとき、水は、相対的に、手の平上を、小指から親指へと流れる。
手の平は、前腕の位置に拘わらず、後方に向けることが基本であるが、最後はスナップで、手首を内旋させながら水をポイと放る。これにより、下肢の浮力が増し、ローリングも進む。

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なお、この動作での手の平の形も、浅いお椀形だ。
このとき、左の腕を前方万歳の方向に沈み込ませ、肩も上体を捻って沈み込ませて、長く、静かに滑り込ませる。

(d) リカバリ

最初に戻って(a)が始まるとき、ローリングが進み、上体が捻られて、右肩が最も水面上に突き出すので、肩を先導させて腕全体を水から抜き上げる。リカバリーの始まりである。

匍匐プル(腕相撲)が始まると、右腕は前腕の力を抜いたまま、空高く放り出し、そのまま、前方斜めに落とす。

左の手の平がお尻の下に水をポイと放るまでに、右の腕を前方万歳の方向に沈み込ませ、肩も上体を捻って沈み込ませて、長く、静かに滑り込ませる。

 

3. 足の動き

足は、軽く、ひらひらと力を入れずに、自転車をこぐように動かしても良いが、「らくらく」で推奨したように、ここでも、2ビートを推奨しておこう。つまり、基本的に両足先を細くして足首を組むように合わせ、水の抵抗を最小にしておくことを基本とする。推進力よりは、楽に、腰を浮かせ、ローリングを助けるだけに特化するのだ。

ただし、ここでは、両方キックしよう。言葉を代えれば、小さく煽ることにするのだ。そして、足の甲とともに、足裏で蹴るほうに意識を置きたい。

キックのタイミングは、ローリングを助ける方向、つまり、右腕を前方下方に突きこむときには、これに合わせて右足は甲で、左足は足裏で挟むように蹴って、足首を組む。

下肢は水平に、上体だけ大きくローリングするような、身体のひねりを目指したい。 

 

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58. 「そこそこスイミング」の4泳法への適用(クロール編)

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そこそこクロール

腕や体を、艫のように使って、揚力を活用し、力を入れやすいところでは抗力中心に推進するというこれらの動きを4泳法に適用してきている。

この4泳法は我流であるが、今回は、左右非対称の泳ぎに入る。まずは、うつ伏せ。クロールである。

1.体幹の動き

クロールもうねりを利用するのが良いと、私は思っている。
その浮き沈みは、上体のローリングによって実現される。クロールでは、必ず、上体がローリングする。その大きさはともかくとして、上体のローリングが最も大きいときが、上体の重心が最も下がろうとしているときであり、一方、上体が水平になったときに重心が最も上がっていく力が浮力として働く

このとき、推進の道しるべとなるのは頭の位置や方向であり、胸の張りや背中の弛緩がうねりを手助けする。
したがって、この上下の動きは、1ストローク1周期となる。

常に、頭は水平におき、これが先導して身体が浮沈し、うねることに留意。

ただし、このうねりは、小さいほうが良い、大きくすると却って抵抗が大きくなる。また、身体が真っ直ぐ水平に保たれていないと、この浮き沈みは意味がない

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上体の重心が低くなる

2.腕の動き

 これは、4つの動きとなる。(a) 内向き薙ぎりストローク、(b) 匍匐プル、(c) 外向き薙ぎりストローク、(d) リカバリーの4つである。

左右非対称なので、右側のプルで説明しよう。

(a) 内向き薙ぎりストローク

今、右腕のリカバリーが終わり、突きこんだ腕が、推進方向前方深く、肩が沈み、万歳の方向に伸びきっているとしよう。

この局面は、右腕の前腕を、匍匐プルの初動位置である顔の前まで運んでくる動作である。

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万歳方向に伸びきったこの腕を、肘から曲げて水を薙ぎるように引きつける。

真っ直ぐであった前腕で水を掻きこむように肘を直角まで曲げる。このとき、水は、相対的に、手の平上を、親指から小指へと流れる。内側へのスカルである。

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 このとき、リカバリーしてきた左腕の肘が頭上で待機し、脱力してぶら下がってい前腕が、耳の横から入水する。

 (b) 匍匐プル

万歳の方向にある右肘が直角に曲げられており、前腕が額の前下方にある。この状態で、手の平を後方正面に向けて、手首を前腕の延長上に固定する。水を抱えるように、前腕全体で水を押さえるように、這う(crawl)というか、引きずる(drag)というか、身体全体で前腕を乗り越えるような気持ちで、腹筋と臀筋にグッと力を入れて、そのまま真っ直ぐ臍まで引き下ろす。このときの手の平は、力を抜き、お椀の形で、指の間は少しなら空いていてよい。

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前腕全体で水を押さえるように

この動きは、プルしようと思うのではなく、左手の水中への落下から前方への突き込みを加速して行うことで、自然に行われる。

左手は、水中に30cmほど落ちたあと、左側の万歳の方向に真っ直ぐ、(d)の腕を水から抜くまでに、加速して伸ばしきる。その加速の勢いが、身体をローリングさせ、身体を巻き込むような自然な動きとして匍匐プルを結果として完成させるのである。

また、同時に、この腕の突きこみが、上体を沈み込ませ、右の背中に水流を引き込み、身体が水平になって浮上するといううねりを生むのだ。

(d) 外向き薙ぎりストローク

臍まで到達した手の平を、腋を大きく開きながら、回転させるように水面に向けて払う。このとき、水は、相対的に、手の平上を、小指から親指へと流れる。
手の平は、前腕の位置に拘わらず、後方に向けることが基本であるが、必要に応じて、上下左右に、若干傾ける。その傾きにより、揚力の向きが変わるので、推進力や上下への姿勢の制御などを行うことが出来る。なお、この動作での手の平の形は、浅いお椀形で指を閉じる。翼と同じだ。
このとき、手首を内旋させながら行うと推進力は増すが、肩を傷める恐れもあるので要注意だ。

(e) リカバリ

前腕は完全に力を抜き、腋を大きく開けながら、肘を大きくリラックスして回転させ、頭上まで運ぶ。

ここまできたら、高く挙げた肘はそのままに、暫く、水中を身体が滑っていく余韻を楽しもう。

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そして、左の前腕を水中に落下させる。入水させる
場所は、耳の横である。

左手は、水中に30cmほど落としてから、最終的に、左側の万歳の方向に真っ直ぐ、加速して伸ばしきる。その加速の勢いが、身体をローリングさせ、身体を巻き込むような匍匐プルを生む。

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巻き込むような匍匐プル

また、同時に、この腕の突きこみからの一連動きが、上体を沈み込ませ、右の背中に水流を引き込み、更に身体が水平になるときに浮上するといううねりを生むのだ。

3.足の動き

足は、基本的に両足先を細くして合わせ、水の抵抗を最小にしておくことを基本とする。

胸から下を静かにうねらせるのも良い。しかし、やはり、薦めるのは2ビートだ。これにより、腰を浮かせ、ローリングを助けることが容易になる。

キックしない脚は、身体と一直線の流線型を保持し、蹴る方の足は、まず、力を抜いて膝を下(水底方向)に落とす。このとき、つま先は、もう一方の足の裏側には出さない。そして、骨盤の前傾から、腹筋に力を入れて後傾することで、しなやかに鋭くキックを繰り出し、すぐに両足を流線型に戻す。この骨盤の動きは、腰を浮かせ、小さいうねりを生む。

キックのタイミングは、ローリングを助ける方向、つまり、左腕を前方下方に突きこむときには、これに合わせて右足のキックを繰り出す。

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