62. 最後に ― 水泳と健康(その2)
このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。
Easy swimming for health by Yagisan
さて、最後にと銘打って、前回は物理的な面を中心に書いた。
今回は、健康面の残りの部分について書きたいと思う。
泳ぐプールを乗り換えてから、3か月たったころ、10年抑えられていた痛風の発作が突然再発した。これにはびっくりした。もちろん、プールが直接的な原因ではない。しかし、これに関わる生活習慣的なことである。
一概にはいえないが、公営プールに行くようになって、生活習慣で大きく変わったことがある。
水泳のあとの風呂・サウナがなくなったことである。それまでは、ゆっくり風呂に入り、ミストサウナで汗を流し、とくに腹を温めるのに留意したものだった。それは、免疫機能を高めることが目的だった。事実、この5年間ほどは、白血球の数が多く、リンパ球の割合も満足のいくものであったのだ。
今は、どうしているのか。
今は、内湯に入りはするのだが、面倒ゆえ、隔日になり、それも、ゆっくりは入っていないのだ。
それと、今回の予期せぬ痛風発作が、どのように関係するのか。
痛風患者は、激しい運動をしないほうが良い。急激に体内で尿酸が産生され、血中濃度が高まるからである。
それゆえ、水分を多く採り、尿量を多くしなければならない。汗をかいただけでは、全く、尿酸は体外に排出されないからである。
だから、今回発作の原因として、一番に考えられるものは、前日に行った機器トレーニングだ。
これまで何年もやってきていなかったのに、近くにある施設を活用しないわけはないと、プールが休みだったので、頑張ってしまったのだ。
おりしも、前々日が、定期通院で血液検査をしてきたところであった。
若干高めになってきてはいたが、血中尿酸値はまだ許容範囲で、順調であると確認したばかりだったのだ。
でも、汗をいっぱいかいた。
そうしたら、てきめん、次の日から足の母指球が腫れた。
水をとらなかったわけではなかった。注意して水をたくさん飲んだつもりではあった。
しかし、直前に調べた血液検査では、もうひとつ、気になる点がなかったわけではなかった。
白血球の数である。自己免疫能力の指標として、わたしが注目してきた項目である。これが、いつもより少なくなっていたのである。もっとも、これは変動の激しい項目であるので、たいして気には留めていなかった。
ともあれ、急な発作にいぶかしく思いながら、この痛風発作が治ってから、ひと月半ほど経った最近のことである。
プールから帰った後から、どうも体調がわるい。
そして、次の日から、鼻の奥と喉に痛みを感じ、発熱。その後、痛みは引いたが、上気道の痒みや咳に襲われるようになった。4日ほど経ってから、38.5℃以上の高熱に見舞われるようになった。これはインフルエンザとは全く違うものだった。インフルエンザは初期のころからポーンと熱が上がり、身体の節々の痛みと頭痛に襲われる。そして高熱が出っぱなしで、3日間我慢するのだ。
それに比べて、今回の病気は、午後から熱が上がり、朝には下がるというもので、節々も痛くなければ頭も痛くない。しかし、咳には苦しんだ。耳鼻咽喉科で投薬された抗生物質と去痰剤等の薬を飲んだら、おしっこが極端に出なくなった。と思ったら、またしても、左足の母指球が腫れあがってきたのだ。
またまた、痛風の発作の連続である。
病気の経過などは、お伝えしても意味がないので省略するが、要は、「頑張りすぎも、頑張らなさすぎもだめよ」というお話である。そして、免疫力増加には留意したほうが良いですよということである。
還暦すぎたわれわれにとって、もう、頑張りすぎはだめである。そもそも、頑張れないだろうから、あえていうほどのこともないのだろう。
しかし、年寄の冷や水というか、頑張ってしまうと、関節を痛める、筋肉を傷める、筋を攣る、疲労困憊してしまう。頑張りすぎてよいことはない。
逆に、「あんまり頑張らないのもどうか」ということもいえる。何事も中庸がよい。
なぜか?
少しは頑張らないと、有酸素運動にならず、運動量としては少なすぎるということがいえる。
そして、それよりも心配するのが、「冷えにご用心」である。プールは冷えるのである。ウォーキングレーンでも端っこで井戸端会議をしていう人たちを良くみかける。
冷えると、血行が悪くなり、筋も攣る。それから、お腹が冷えてしまって、自己免疫能力が下がってしまうと私は心配し、経験的にもそう信じている。
そうすると、何にも悪い。病気にかかりやすくもなる。プールでの感染も、元気なら、ワクチン代わりになるなどと豪語できるけれど、やわっちい身体になってしまうと、結構、病原菌にも気を付けなければならない。
だから、勧めるのである。
「やぎさんのらくらく健康スイミング」をどうぞ!
このブログも、始めてから4年半になった。これまで、投稿数は69、アクセス数は、5万8千ほどであった。
とくに、皆様のご興味が高かった記事を2つ挙げれば、「泳ぎの基礎理論」と「2ビートのらくらく背泳ぎ」であった。
ともあれ、予想に反して、これだけ読んでくださった方々がおられたことには、驚いている。
水泳が好きな方々が多いだけでなく、自分の泳ぎを見つけたいという方が多いのだとも感じている。
本当に感謝である。一つでも参考になることがあったならば望外の喜びといえる。
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そういうわけで、このブログはここで、投稿としては一旦締めさせていただきたいと思っております。
本当に、ありがとうございました。
とりわけ、さまざまな有難い知識やご助言をいただいたチャックさんには、お礼の申し上げようもありません。
今後は、別のカテゴリーでの情報発信も検討しておりますが、とりあえず、ここでは、みなさまのご健康を記念して、お別れさせていただきます。
また、別のところでお会いできることを期待しつつ、皆様のご活躍をお祈りいたします。
本当に、ありがとうございました。
【目的・概論】
- 00. 還暦すぎてのラクラク健康swimming
- 01. さかなのように、イルカのように、優雅に、静かに泳ぎたい
- 09. 十人十色
- 23. 閑話休題 オリジナル・メドレー
- 26. 身体的特徴と水泳
- 31.「速く泳ぐ方法」と「楽に泳ぐ方法」の相違 その1
- 32.「速く泳ぐ方法」と「楽に泳ぐ方法」の相違 その2
- 33.キャッチの感覚
- 52. イルカ泳ぎでは競泳に出られない(泳法と規則)
- 43~46. 水泳と身体の故障
- 61. 最後に ― 水泳と健康 その1
- 62. 最後に ― 水泳と健康 その2