やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

31. イルカ泳ぎ イルカのように自由に泳ごう

このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。

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古式泳法とバタフライのコラボレーションとでもいおうか。

豪快にイルカが水上に息継ぎに出てくるように、浮き沈みを楽しみながら自由の泳ぐものである。それゆえ、イルカ泳ぎと命名する。

ぜひ、イルカやカジキになったつもりで楽しんで欲しい。

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古式泳法に「伸し(ノシ)」というものがある。その泳法では煽り足を使うが、この泳法では足を、ドルフィン、というか、バタフライのうねりで泳ぐのである。ほぼ、横になって泳ぐ。両手は、伸し、というか、片抜き手というものに近い。上の手を水上でリカバーするものだ。

ドルフィンキックのタイミングは、バタフライと同じく、左右それぞれのプルを1サイクルとしてキックは2回である。

しかし、あまりドルフィンキックとは言いたくはない。バタフライもそうだが、キックを打つ意識はあまりないのだ。上体のうねりを使って身体全体をイルカのようにしならせるだけだ。鞭のように、尻尾まで、いや、足先まで到達した、しなやかなうねりがドルフィンキックとなるという感覚だ。

バタフライの練習のひとつに、この動きを横になって行う練習がある。

これに合わせて、右腕と左腕で、それぞれに異なるプルを順次行うコースロープに向かって横になった姿勢で泳いでみよう。

 泳ぐリズムは、バタフライと同じである。

両手の平をあわせて頭の上あたりに伸ばし、腕の動きに古式泳法の「伸し」を取り入れて、横向きに泳いでみよう。

2. 一連の動き

(1) 一旦全身の力を抜いてから、水面側に伸ばした右手を身体にまつわりつかせるようにプルする。円月泳法と同じプルだ。広背筋でプルする。左手は、前方に突き伸ばす。同時に第1キックが入る。息継ぎは、ここで行う。

(2) プルが終わって、片抜き手のように、腕の力を抜いて水上に抜き去って前方にリカバーし、水中に突きこむが、その突きこむ動作と同時に、水中前方に伸ばしていた左腕を連動させて伸しのようにプルする。この左腕は、軽く肘を伸ばしたままで行い、身体がロールしないように角度を調節する。必要があれば水面と平行近くでプルする。できるだけ広背筋で引く。このとき、第2キックが同時に入る。このときは前方の深みにずーんと斜めに沈んでいくようにする。プルした左手を、腹から胸に水流を避けて這わせて、左耳の横辺りに位置づける。

この(1)(2)の動作を1パターンとして、これを連続して行う。

3. 全体の連携と浮沈

要するに、両手は伸しや横泳ぎと似た動作を行いつつ、体幹と下肢はバタフライのような動きで泳ぐのである。

このブログではつねに、息継ぎの前の動作では、意識的に潜るように推奨している。こうすると、推進力が増すだけでなく、次の動作で浮かびやすくなり息継ぎが楽になる。それに加え、動作にメリハリがつくので、イルカになったような気分で楽しいし、飽きない。

このイルカ泳法でも、同様に、浮沈のメリハリをつけることを推奨する。息継ぎをし、水上でリカバーした腕を突きこんでいくとき、思い切って、水圧を感じるまでずーんと沈み込んで欲しい。その浮き沈みの爽快さは鯨になった気分だ。プルは、浮き沈みを助けるように体幹で動かすだけなので、力を要するものではない。少し上向き気味の方が沈みやすいかもしれない。

イルカ泳法では、ほぼ横向きで泳ぐ。身体全体のうねりを最大限発揮しやすいと思うからだ。しかし、左腕のプルを巻きつけるように引くと、身体は自然とロールする。それでも良いと思う。自分の好きな角度で、効果的にうねることができるように調整していただきたい。

しかし、もし、このローリングを下に向くまで行うと、元に戻しにくくなり、プルした手を、逆側(左)の水面に抜いてリカバーしたくなるだろう。そのようにすると、次のように左右交互にバランス良く泳ぐこともできる。

4. 左右交互のイルカ泳ぎ

(1)右向きで、右手を前方に沈めつつ、左腕をプルして、前方に沈み込む。

(2)左手を身体に沿わせて顎まで戻してから前方に突き出しつつ、前方に伸ばしていた右腕を身体に沿わせながらプルし、このとき息継ぎをする。

(3)左腕の力を抜き、右腕を大きくリカバリしつつ前方に突き込み、同時に左腕を腹の方に巻き込みながらプルする。身体は大きく沈み込みながらローリングする。

(4)左を向いたら、左腕を水面上でリカバリをし、前方に持ってくるときに右腕を身体の前でプルをする。これは(1)の動作終了後の左右逆の状態と同じである。

(5)今度は(2)~(4)の動作を左右逆に行う。

こうして左右のイルカ泳ぎがバランスよく継続できることになる。

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ただ、このパターンで泳ぐと、3ストロークに1回の息継ぎということになる。これでは、息が、ちょっと続かないという方には、下の動画のように、一 度、やぎロールで左右変換してから、すぐ連続して同じ側をプルして息継ぎをするのもよい。つまり、やぎロールに片側イルカを加えることと同じである。そうす れば、2ストローク1息継ぎで、左右均等の泳ぎができる。

これは、一応、「やぎイルカ泳ぎ」と呼んでおこう。

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いちいち紹介はしないが、この泳ぎには、いろんな変化もあるし、姿勢も一様に決まったものがあるわけではない。

たとえば、(3)のときは下向きになって左右の変換を行うが、このとき、上向きになって、らくらく2ビート背泳ぎの形を経て左右変換を行うこともできる。

また、(2)の動きは何回も続けて行ってもよい。つまり、姿勢が安定するまで続けたり、行きは右、帰りは左などとしてもよいだろう。

また、やぎロール等へと移行するのも良し、上向きを取り入れたり、また、キックをいろいろ変化させて泳ぐのもよい。

ともあれ、いろいろな泳ぎをとりまぜて自由に泳ぐと、実に、イルカになった気分で、楽しいこと、この上ない。

 なお、イルカ泳ぎでの速度は、片手バタフライより速く、時間差バタフライと同程度である。ちなみに、わたしは、25mを、6回ほど潜って浮き上がることで、30秒前後で泳いでいる。このタイムで泳ぐ場合、他のどの泳法より楽かもしれない。