やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

06.1 らくらく円月平泳ぎ

 このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。

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まったりした動きで、らくちんに泳げる平泳ぎを紹介しよう。

平泳ぎは、多くの人が泳いでいる泳法だ。

この泳ぎは平易であるように思えるが、スピードを出すとなると、結構大変だ。

また、泳いでいても、そんなにラクじゃないと思う方もおられるかもしれない。

特に、ひざや腰などが痛いという方もあるだろう。それに、ゆっくりは泳げるが、頭を出すのがやっとであるとか、遅いので、ジムで速い人と同じコースで泳ぐのは気が引けるという方もおられるかもしれない。

前記事06で紹介した泳ぎは、それなりに一所懸命に泳ぐというものである。それに比べて、この泳ぎは、まったりだ。でも、同じような力を出せば、それほど変わらないと言っておこう。では、何が違うかというと、とてもまったりとラクに泳げるのだ。

この泳ぎでは、壁を蹴らずに、25mを10ストローク、30秒くらいまでの泳ぎ方である。それゆえ、できるだけ速く泳ぎたいという人ならば、前記した06記事の泳ぎの方が良いだろう。

ねらいは、泳速を上げることにはないのだ。反対に、これくらいまでの泳速ならば、まったりとラクな動作で泳げるというもので、逆に、泳速はどんなにでも遅くできる。遅いと、身体はあまり浮かないものだが、この泳ぎでは浮。だから、どんな泳速でもラクに優雅に泳げること請け合いであ る。

らくらく円月平泳ぎ

1. 膝を痛めない足の蹴り

膝から下にの脚に変な力が入らないようにするために、股関節や膝関節の可動範囲があまり広くない人にお奨めしたい蹴りである。それは、極めて単純な動きだ。

地上での動きで説明するならば、軽く脚を開いた自然体で、身体を前に倒さないように気をつけながら、そのまま腰を落としてしゃがみ込み、飛び上がるという動作だ。

水中では、おしりの上に引きつけ逆ハの字になった足を、内旋しながら、真っ直ぐ蹴っていく。この時意識するのは、股関節を内側に締めることと、腹筋も締めることだ。

しっかり股関節を閉じつつ蹴ることにより、腰が浮き気味になるようにし、反らないようにする。そうすれば腰を痛めることはないし、力強い蹴りもできる。

とにかく、自分のためにも、隣のスイマーのためにも、足を外側に 蹴らないことには留意して頂きたいと思う。

これにより、腰から下はまっすぐに水面と並行に伸びる。

蹴ったあとは、プルの番だ。

2. 円月泳法のプルを応用

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らくらく平泳ぎのプルでは、力は込めない。まったりが原則だ。

蹴ると同時に、胸の前で拝むように合わせた手を、まっすぐ前の方向に押し出す。この時は、頭を両腕の中に一旦沈めこむ。上体は一旦沈み込むが水中を縫うように、すぐに頭を上げつつ胸を張って前方に伸びる。

速度が緩んできたら、腕をゆるめ、円月泳法のように腕全体で円を作る。この時、手の甲をハの字に上に向ける。この時、手の甲には少し水を押す感覚があるはずである。これが、両腕のキャッチの瞬間である。これには、若干下肢を浮かす効果もある。

この感覚を得たらプルに入る。これから描く手の平の軌跡は、そう、ちょうど、ハートを逆さにした形だ。

記事06.の泳ぎでは、ガバッと開いている両脇を一気に閉じたが、今度の方法は、ゆっくりと回すのだ。回す方向は、円月クロールは内回しで円を描いたのに対し、これは外回しだ。

つまり、ハの字に置いた両手を、それぞれ外側に、太極拳の動きのように優雅に回す。その時、手の平は、あたかも、直径1mくらいの巨大な杯の内側を撫でるように回すのである。特に、最後のハート型のおしりの部分では、手の平が下方に向いて、お互いの手の平が斜めに向き合って水を挟んでいく感じをゆっくり味わって欲しい。

そうして、両手を胸の前に合わせると、手の動きによる揚力で、上体が斜め上方に向かって自然に水上に出る。

ゆっくりした動きなので、息継ぎは問題ないはずだ。水上に出る直前に一気に息を吐いてから吸う。

もし、前進の効率を上げたいならば、プル開始時には前腕を水底に少し垂らして立てるようにすればよい。最後の仕上げは、やはり、大皿の壁塗りだ。ともあれ、この円形プルで形成される45度ほどの迎角は経済的なのである。手の平を立てる角度は、どれくらい推力を増すかという匙加減だ。

3. 足の引きつけから次の蹴りへ

足の動きは、頭が水上に出るまで、なるべく伸ばしたまま、上体が水上に出た時に、かかとをおしりの下に引きつけ、足首を曲げる。膝を引きつけないようにして、身体の下面をなるべく平に保つこと。

最高点を過ぎる時に、地上で跳び上がる動作と形容したように、股関節を締めるように蹴り、上体を前方に投げ込み、伸ばした両手両腕の中に頭は埋めて波を縫う。

4. なぜ、ゆっくり掻けるのか

最初に紹介したプルや、一般の平泳ぎでのプルでは、伸ばした両腕の前腕を下方に下ろし、その形で腋を締めながら一気に腹まで前腕を引く。このときの両前腕の軌跡は、細長い紡錘形であるが、ほぼ、ストレートであるといっていいだろう。

このプルは、形状抵抗を応用したオールと同じような動きであり、水の抵抗の抗力を利用するものである。それゆえ、うまくキャッチし、泳速より速い速度でプルしなければならない。

しかし、ゆっくりとした速度で、ラクに泳ごうとするならば、このプルでは、スコンと抜けてしまうし、頭が出る程度で、身体が浮かない。

そこで、プル全体を、艫やスクリューのような揚力中心のものに換えるのだ。

らくらく平泳ぎでは、巨大な杯の内側を撫でるようにすると形容したが、このような気持ちで手を動かすと、水流を横に切っていく動きとなり、これにより、前進と上体を浮かす方向に働く揚力が得られる。

 また、この動きは、水流の速さ負けずにプルするよりも、比較的ゆっくりとした動きでも、じわっと、水の抵抗を感じることができる。ハートの半円を描く間、水が粘土であって大きな陶器の内壁を整形していくような、均一的な抵抗を感じることだろう。

このようにして、この円月泳法を応用すると、ゆっくりと、力まず、そこそこの泳速で、平泳ぎを楽しむことができる。

 

 

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