61. 最後に 水泳と健康(その1)
このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。
Easy swimming for health by Yagisan
以前、誰でも泳げるようにするには、それなりの練習方法が必要だと書いた。
だから、書こうと思った。
しかし、実際に妻を教え始めて、結構困惑することが多かったのも事実。
ひとは、実に様々な個性を持っている。そう書いたのは、おのれ自身であった。
身体的個性もさることながら、精神的個性も大きい。
頭で泳ぐ人もいれば、理屈は苦手で身体で覚えていくひともいる。
いわれたとおりにする人もいれば、全く、いわれたことなど聞いていなかったと思えるようなひともいる。
それも個性だ。
だから、学び方も、教え方も、一致しないとうまくいかない。
それに、環境も大事だ。混雑しているプールでそんなことはできない。結局クラスに入らざるを得なくなるのも納得できる。
まあ、一般的なことは書けるかもしれない。しかし、それはやめた。多分役に立たないだろうし、いくらでも参考にできる情報もある。
そんなわけで、もうそろそろ、このブログへの投稿を終わりにしようと考えている。
そこで、最後に、このブログの初心に戻ることとし、水泳と健康について、もう一度触れて、それからお別れしたいと思う。
さて、このブログは、ゆっくり、らくに、優雅に、楽しく、美しく泳ぐことを目標として書き始めたつもりである。
それゆえ、読者としては、特に、年配の方々を念頭に置いて書き進めてきた。若い人には、物足りなかっただろうとも思うし、おそらく、読んではいただけなかっただろうとも思っている。
そもそも、読んでいただこうなんて、そんな烏滸がましいことではなく、忘れん坊のための自分の記録として書き連ねてきたのであった。
水泳は、良いことばっかりだと最初に書いた気がする。
全身運動、肩こり解消、呼吸器の鍛錬、皮膚の鍛錬、等々である。でも、もう、それを繰り返すことはしない。
何事も、良いことばかりあるはずもない。何事も、両面はあるのだ。
それゆえ、最後に、老爺心ながら、記してこなかった反面にも触れつつ、最後に、もう一度、らくらく健康スイミングを、改めておすすめして、わたしのお別れとさせていただきたい。
水泳をする人は、いろいろな環境でするだろう。
ジャグジーやお風呂・サウナの揃ったスポーツジムであったり、公共プールで、シャワーしかないところもある。さすがに年間を通して泳ぐ人は、温水プールで温水シャワーのでる施設を利用しているに違いない。
かくいう私は、これまで、前者のジムで5年ほど泳いできた。しかし、水質等に嫌気が差したために、5か月前に、公営プールに鞍替えした。
なぜか?
公営プールのほうが、はるかに水の透明度が高かった。向こう岸の壁がはっきり見える。妻の泳ぎも見えるから指摘もできる。
監視員も溌溂としていた。何より、使用料も安く、6分の1となった。手続きも出入りも簡素でよい。いいことづくめであるが、制約もある。まず、風呂などない。シャワーは、濾過再生のため石鹸類も使えない。利用できない時間帯が不規則に結構ある。土日は特に混む、などである。
そんなところで、数か月泳いできたが、結構危険なことも多いことに気が付いた。
それは、衝突である。
固定メンバーではないので、予測不能なことも多い。その中には、平気で真ん中を泳ぐ人がいる。
妻は、肩や足を殴られるのは日常茶飯事としても、一度は、頭が正面衝突して、脳震盪を起こしかけたことがある。
つまり、対面交通のこっち側に入ってきたおっさんがいたのである。
わたしなどは、なんとか避けるが、背泳では、みごと隣のコースから伸びてきた手に、見事、金玉を掴まれてしまった。びっくりしたのなんのって、初めての経験だ。止まって、となりのコースをみたら、やさしそうなおばあさんが、悠然とむこうに泳ぎ去っていくところであった。
このような事故は、単に下手だったり、ゴーグルをかけていないといったことだけで起こるのではなく、これを助長する要素も、実はあった。
そこでは、ウォーキング人口も多く、そのためのエリアを3コースぶち抜いて確保しているのである。
これは助かる面もあって、このエリアでは、泳ぐ練習や浮く練習も、なんでもでき、甚だ便利ではある。
しかし、その一方で、プール全体に大きな水流を作っているのである。
つまり、一方方向に歩く必要性から、プールの端に沿った大きな水流を起こしてしまうのだ。
ウォーキングコースがあれば、少なからず水流がおこるのはしかたがない。しかし、横方向に歩く距離があると、かなり困ることになる。
例えば、隣接した、となりの初心者コースで泳ぐと、向こう岸に着く直前で、対面泳者側に、急に押し出されてしまうのだ。こわいこわい。
それに、コースでの行きかえりで、逆の水流となることも多く、向かい風と追い風の差で、要するストローク数もかなり違う。
だから、「らくらく健康スイミング」を目指すのは良いですよと、これを勧めはするのではあるが、こうした危険性にも十分配慮しなければならないということである。
さて、ここまで、物理的な面を中心に書いてきたが、結構、長くなりそうな気もする。
それゆえ、今回はここまでにすることとし、後は次回に分けて書くことにしよう。
まあ、これも、最後の、自己満足的な記録である。
【目的・概論】
- 00. 還暦すぎてのラクラク健康swimming
- 01. さかなのように、イルカのように、優雅に、静かに泳ぎたい
- 09. 十人十色
- 23. 閑話休題 オリジナル・メドレー
- 26. 身体的特徴と水泳
- 31.「速く泳ぐ方法」と「楽に泳ぐ方法」の相違 その1
- 32.「速く泳ぐ方法」と「楽に泳ぐ方法」の相違 その2
- 33.キャッチの感覚
- 52. イルカ泳ぎでは競泳に出られない(泳法と規則)
- 43~46. 水泳と身体の故障
- 61. 最後に ― 水泳と健康(その1)(この記事)
- 62. 最後に ― 水泳と健康 その2