やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

57. 「そこそこスイミング」の4泳法への適用(平泳編)

このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。

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そこそこ平泳ぎ 

腕や体を、艫のように使って、揚力を活用し、力を入れやすいところでは抗力中心に推進するという動きを4泳法に適用し「そこそこスイミング」にしたい。

この4泳法は、私の我流であるが、前回のバタフライに続いて、今回は、左右対称の泳法の2つ目の平泳ぎである。

 

1. 体幹の動き

うねるタイプの平泳ぎは、基本的に、バタフライと体幹の動きが同じだ。

常に、頭は水平におき、これに先導されて身体が浮沈してうねる。

ただし、競泳ルールにより、手と足の動きは異なる。平泳の場合、肘は常に水中になければならないし、足のドルフィンキックはご法度だ。それゆえ、バタフライと大きく異なるところもある。

両腕を前方に突きこむときが、沈み込み始めるときであるが、平泳ぎでは、肘を水から出してはいけないことから、リカバリーは、どうしても、上腕(二の腕)に大きな水の抵抗を受けてしまう。

それゆえ、前への両腕の突きこみは、上体が最も高い位置にあるときにやってしまうのが良い。とはいえ、「そこそこ」の泳ぎで、上腕まで水上に出ればの話ではある。

しかし、たとえ、水上になくても、最もスピードが緩んだときに突き出すのが抵抗が少ないことには変わらないので、できるだけ足の蹴りより前に突きこみを済ませてしまうことだ。下図の下のようになってしまったら、上腕で受ける水の抵抗は馬鹿にならない。

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それゆえ、下図のように、踵を引きつけるときに、腕を突きこむ。

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両腕の突きこみと同時に、腕の間に頭を埋め、蹴りながら、腹筋、臀筋に力を入れ腰凹みを平らにする。そうして、上体で水を下方に押して沈み込むように伸び、スピードが緩んできたら、水面方向に頭を先導させて胸を張って、腕の掻きとともに滑りあがる。バタフライでは、1サイクルで2度の骨盤の前傾・後傾の動作でうねりをしたが、平泳ぎでも基本は同じである。しかし、ドルフィンキックは失格となるので、競技を目指すのであれば、脚の動きには注意したほうがよい。 

2. 腕と足の動き

 これは、両腕の突きこみに続いて、5つの動きに分けられる。

(a) 伸び (b) 外向きから下向きへの薙ぎりストローク (c) 肘閉め匍匐プル、(d) 両腕の前方への突きこみ、(e) 足の引き付けから 蹴り

この5つであるが、(a)伸び以外は、切れ目なく、滑らかに連続して、かつ、だんだん加速して行う。

(a) 伸び

両腕を前方に突きこんで腹筋臀筋を締めて腰を平らにして伸びる。このとき、自然になるようにまかせるよりも、前半に、上体を下に若干押し付けるように沈めたあと緊張を緩めると、その押し込みと戻しの弾力的なリズムが浅いうねりを呼び起こし、気持ちの良い伸びとなる。

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腰を平らに伸びる

(b) 外向きから下向きへの薙ぎりストローク

できるだけ伸びた後、頭をもたげて胸を張り、上昇に向かうが、このとき、揃えた両腕の手首を若干曲げて手の平は外向きにし、外向きから下に向かって、薙ぎりストロークで開いて、腕の方向が万歳の方向に向かう。

続いて、水を抱え込むように肘を曲げる。曲げる方向は内側ではなく斜め下が良いが、無理のない範囲にする。この動きは、肩を前に回転させるような気持ちで内旋させ、背中を丸めようとすれば、前腕がうまく下がっていく。最終的には、蟹がはさみを下に垂らしたような形で、肘はなるべく万歳の方向の前方に残す。同時に、首筋の力を抜き、意識は完全に内側(胸の前の空間)に向ける。この局面では、胸から下は弛緩して引きずっているので、腰の背骨は少し凹む。

これにより、身体は、前方斜め上の水面に滑りあがっていく。

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(c) 肘閉め匍匐プル

 さて、前腕が、蟹のハサミのように目の前の両側に下りてきた。上腕は万歳の方向を向いている。肩も前に出ているので、大胸筋も広背筋も前に伸ばされている。ようやく、腕に力を効果的にこめることができる姿勢になったわけである。

「そこそこ」に泳ぐために、ここで、少し頑張ることにしよう。「匍匐プル」である。

一瞬のうちに行う。両前腕で水を押さえ、腹筋、大胸筋、広背筋に力をぐっと入れて、臍めがけて両肘を合わせるのだ。

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平泳ぎでは、水中リカバリーが求められる。そのため、匍匐プルで手の平を臍まで下げると、前腕を戻すときに大きな水の抵抗を受けてしまう。それゆえ、前腕には力を入れず、拝むように手の平を合わせて前に残し、両肘だけを臍に叩きつける変形匍匐プルとしなければならない。

これによって、腕に抱えられて集められた水が、勢い良く斜め下方に押し出され、その力で上体は、その力に比例して水上に押し出される。その高さが、次の瞬間に前方に飛び込んでいくときの位置エネルギーとなるのだ。その高さは、水泳選手では、上体が全部出るくらいであるが、肘はルールどおり水に漬かっていなければならない。もちろん、われわれ還暦スイマーに、そこまでの力はない。

息継ぎは、空中に出たとたんに、下向きのまま終わらせ、すぐに両腕を前に突きこむ体制に入る

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(d) 両腕の前方への突きこみリカバリ

両腕の突きこみは、抵抗を最小限化するために、上体が最も高い位置にあるうちに済ませてしまうのが良いが、できるだけ、踵をひきつけるときまでに、頭を両腕に埋めながら迅速に突きこむ。

(e) 足の引き付けから蹴り

腕の突きこみに続いて、ウェッジキックを行う。

骨盤を前傾して踵を尻に近づけて合わせ、腹筋にグッと力をこめて、斜め後方下方に向けて土踏まずで蹴り、つま先を合わせる。

足を引いたときに膝が足首より内側にくるようにするウィップキックもあるが、これは膝を痛める懼れがあるため、上記のウェッジキックを薦める。速さよりは安全を優先させたいと思う。ただし、右足でコースロープを蹴らないように注意しよう。蹴る方向は、斜め下で、膝を閉めるように蹴るのが良い。

 

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