28. 片腕シリーズ 片腕バタフライ
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【片腕バタフライ】
片手バタフライは、記事「07.2 らくらく時間差バタフライ」ですでに説明したが、「片手」の場合は、プルしない手は前方に伸ばしている。それゆえ、ここで説明する「片腕」バタフライは、手を前方に伸ばせない場合のことである。
それゆえ、片腕バタフライとは書いたが、両腕でないことから、左右対称でない。つまり、すでに本来のバタフライにはなっていないので、ご了承願いたい。標題に矛盾があるということだが、そこはご寛恕いただきたい。
本題に入る。
この泳ぎは、動く腕を上にして、真横を向く。使用しない腕は、下肢の方向に垂らすことになるが、できれば、胴にぴたりとつける方が抵抗が少なくて良い。(片手バタフライができる方は、何の問題もないので、伏せて泳ぐも、横を向いて泳ぐのも、片手を前方に伸ばすも、体側につけるのもいかようにでもできるだろう。)
なお、どちらかの半身の動きが悪い場合も、基本的に問題なく、以下の泳ぎ方が可能である。さらに、下肢が動かないという場合でも、片腕だけでも泳ぐことは可能だ。
1. 基本的な姿勢と動き
横向きに、コースロープに対面するような姿勢をとる。
動きは、真横を向いて、片手バタフライをする感覚でうねる。
前進するにつれ、沈み込みによる体幹での推進力を利用し、浮上するときにラクに息継ぎを行う。
2. プル
身体は横を向けたままで、バタフライのようにうねる。すなわち、前方に腕を突きこむときには、顔をうつむき加減に背中の力を緩めて丸め、突き込み終わる瞬間に胸を張る。突きこむ方向は深みに向けたほうがよい。胸を沈め込むのだ。そうすると浮力が増し、反動で浮き上がってくるので、これに合わせて、身体に巻きつけるように円月泳法のプルを行って、口を水面上に出す。これは、前に出すのではなく、真横あるいは少し顎を引いてクロールと同じように息継ぎをする。やりにくかったら、自由に吸えるまで真上に向いて行ってもかまわない。
腕を抜き切ったら、上体の力を抜きつつ、腕を水上で前方に回して、最初に戻り、イルカが呼吸を追えて前方に沈み込むことを連想しながら、上体を前方に沈み込ませつつ腕を突きこむ。
身体は真横に向けるが、意識的には少し上を向く感じのほうが沈みやすいかもしれない。これは個人の身体の特性によるので、角度は調整していただきたい。
3. 体幹の「うねり」と浮き沈み
からだのうねりは、胸と腕の動きにつれて、身体全体が下肢まで自然に波打つはずだ。バタフライと同じである。意識するならば、腕の突き込みにあわせた第1キック、プルに合わせた第2キックである。キックはドルフィンになるが、半身が動き肉場合は、片足だけのキックとなるが、問題はない。
うなぎのような身体のしなりがあれば、すいすい行くが、なかなかそうは行かない場合もあるだろう。腕だけではきついが、身体が動きにくいほど、浮き沈みに注力して欲しい。
最初から、ある程度、泳速が出ればいうことがないが、息継ぎで疲れるという方も、沈み込みに注力して欲しい。沈めばその分勢い良く浮き上がれる。
うまく水に乗れば、充分泳いでいるという感じを持つはずだ。
前進している感じをしっかりもって、ラクであれば速度などはどうでもよいが、ちなみに、私の場合、ゆっくり泳いで、25mを10ストロークで35秒ほどで泳いでいる。