06. 平泳ぎ編
このブログの内容を、体系的にまとめて、次のウェブサイトで公開している。
私は、平泳ぎについては他の方々の泳法を研究したことがない。それゆえ、同じ泳ぎをしている方も多いかもしれないが、とりあえず、私なりの泳法の紹介をしておきたい。
平泳ぎは、昔から、一番泳ぎやすかった。性に合っていたのかもしれない。逆に言えば、他の泳ぎが下手だったのだ。
しかし、年を経てから、平泳ぎをしたあと、時々ひざや腰などが痛くなることがあった。そこで、蹴りについて工夫したことがひとつあった。また、円月泳法と足の浮きを気にするようになってから、これも取り入れた。早さにこだわらず、ゆっくり泳ぎたい人や、特に、ひざや股関節、腰が痛くなる方にはお勧めである。
ゆっくり泳いで、壁を蹴らずに、25mを10ストローク、30秒くらいの泳ぎ方である。壁を蹴って、ピッチを上げれば25秒程度までは上げられる。
(やぎ流)平泳ぎ
1. 足の蹴りーーかえる足?
私はカエル足のキックのやり方などは、実はあまり考えて泳いだ記憶がない。自然に行っていたに過ぎない。しかし、歳をとってきてからは、膝や股関節、そして長く泳げば腰が痛くなるようになってきた。
私の股関節や膝関節は、あまり可動範囲が広くない。特に、お姉さん座りといわれている、膝から下の脚を外側に出して、ペタンと座るようなことはとてもできない。
それゆえ、膝から下にの脚に変な力が入らないようにするために、半年前くらいであったか、より強い力の出る単純な脚の動きに意識的に蹴りのやり方を変更した。それは、極めて単純な動きだ。
地上での動きで説明するならば、軽く脚を開いた自然体で、身体を前に倒さないように留意しつつ、そのまましゃがみ込み、飛び上がるという動作だ。
水中で、おしりの後ろに引きつけ逆ハの字になった足が内旋しながら、つまりこの場合はまっすぐになりながら膝が伸びていく。この時意識するのは、股関節を内側に締めることと、反らないように腹筋も締めることだ。
これにより、腰から下はまっすぐに水面と並行に伸びる。
2. 上体の動きと足の連動
蹴ると同時に、胸の前で拝むように合わせた手を、まっすぐ前の方向に、肩甲骨を前方に押し出すようにして突き込む。この時、頭を両腕の中に一旦沈めこむ。上体は一旦沈み込むが水中を縫うように、すぐに頭を上げつつ胸を張って前方に伸びる。これがグライドの時間となる。
速度が緩んできたら、一旦、身体を弛緩させ、腕をゆるめ、円月泳法のように腕全体で円を作る。この時、手の甲をハの字に上に向ける。この時、上体は浮き上がりつつあり、下肢が沈もうとしているので、シーソーのように手の甲には水を押す感覚があるはずである。これが、両腕のキャッチの瞬間であり、また、沈もうとしている下肢を沈めないための工夫でもある。この感覚をえたらすかさずプルに入る。両手で、ぶら下がった崖の上に身体を引き上げるように前腕を立てるようにしながら、ガバッと開いている両脇を一気に閉じ、両手は胸の前に合わせる。そうすると、頭は、斜め上方に向かって一直線に頭をまっすぐにしたまま、水上に突き出るので、水上に出る直前に一気に息を吐いてから吸う。
足は、水上に出るまで、なるべく我慢して伸ばしたまま、上体が水上に出て位置エネルギーを稼いでいる時に自然にかかとをおしりの下に引きつけ、足首も曲げる。この時の足の開き加減は、人それぞれで良く、次の蹴りが滞りなくできれば形は問わない。ただ、大腿を引きつけると水流の抵抗を受けるので、なるべく身体は平らのほうが良い。足首も曲げると足の甲に水流の抵抗を感じるはずで、これが足のキャッチとなる。
最高点を過ぎる瞬間に、一瞬で蹴り、上体は前方に飛び込み、突きこんだ両手両腕の中に頭は埋める。下肢は、跳び上がる動作と形容したように、股関節を締めるように蹴る。
3. 一連の動作の特徴
この泳ぎの推進力は、重力を使ったうねり、両脇の急激な閉じ、股関節を閉じながらの足の裏の蹴りの3つである。
姿勢は、上体が水上に持ち上げられて、前方に飛び込んで胸を張って滑り上がる動きのほかは、基本的に水平であり、特に下肢は水面近くに置かれている。そのためには、しっかり股関節を閉じつつ蹴ることにより、腰が浮き気味になるようにし、反らないようにすることだ。そうすれば腰を痛めることはない。
力は、そこそこに入れることもできるし、全体に緩慢に泳ぐこともできる。これは、それは好みの問題だ。脇を締める力が小さければ、上体の水面に出る程度が小さくなる。しかし、全体の一連の動きの形は変えないように留意していただきたい。ゆっくり、7ストロークくらいで泳ぐのも良し、ピッチを早くして泳ぐのも良し、息の長さも個人差があろう。
この泳ぎでも、体重を前にかけて行けば、よりフラットになり速くなることにはメリットはあるのだが、泳ぎ自体で困ることは無いので、目一杯呼吸し、かつ、ラクなリズムで泳ぐほうが無理がないだろう。ただ、自分のためにも、隣のスイマーのためにも、足を外側に蹴らないことには留意して頂きたいと思う。