やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

39. 楽に、より速く (その2 身体全体をスクリューに)

 このブログは、更新したのち、内容をまとめて次のウェブサイトに掲載している。

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 この記事は、前記事の続きである。

(姿勢の続き−−実践)

さて、改めて、円月泳法で、頭を上げて泳いでみたが、これは、やはり、とても気持ちが良い。浮いている方が、気持ちが明るくなるからかもしれないし、バウンド感が良いのだ。

頭だけを前に向けるのだが、少し胸を張る感じにはなる。顔をプール前方に向け、腕は前方に出す。ただし、腹圧は多少かけておく。そうすると、額が水面を切るようになり、背中は沈み、お尻から下肢がふわふわ浮いてくる。

胸が張りぎみになると、その部分の水の抵抗は大きくなるが、速力が上がるにつれて、身体がせり上がるようになり、一方で、下肢はさらに浮いてくるので、より速度を上げたい時には欠点にはならないだろう。私の場合は、肩の可動域が狭いので、この方が手を前方に伸ばしやすい。

この状態で円月泳法を行うと、上下に弾む。身体全体が軽くなった感じがあり、そして、律動的にバウンスする感じが楽しい。

今は、なるべく、腰から下の力を抜き、キックについては意識しないで、ひらひらするままに放っておく。ただし、腰は反らないように気をつけて、腹圧も少しかけておく。

速さは、というと、25mプールで、30秒前後、ストローク数(壁を蹴ってキックなしで5mラインでプルを始める計測)は15くらいである。速くなっていない。

当然だ。まだ、なにも速くなるための操作は加えていないのだから。

これから、速くしたいのだが、プルについては、まだ改造の余地があると思う。そもそも、プルのピッチは、今の1ストローク2秒程度から、いずれ半分以下の1秒から0.8秒くらいまで速くしなければ、泳速自体は上がらない。

少しピッチを上げてみると、25秒ほどには速くなる。しかし、それ以上速くするのは、急激に息が上がってきそうなのでやめておく。

ここまでのところ、速さに関する限り、身体を真っ直ぐして水に沈んでいても、頭を浮かせていても、殆ど変わりはないようだ。

(プルの手の平の形)

ところで、こお円月プルでは、すなわち、スクリューや艫のように斜めに水を切るようなプルでは、どのような手の形をしたら良いかについて、あまり書いてこなかった気がする。

招き猫泳法のような、真っ直ぐ引くプルでは、自然で構わないし、指の間も若干空き気味のほうが、水がつかめるし、形状もお椀のようになっていて良いと思う。

しかし、水を斜めに切って、揚力を活用するこのプルは、断然、真っ平らが良い。指の間も開けない。水が抜けるし、滑らかな水の流れが手の平の表面で起こらなくなるからだ。

かつて記事(17. 効率的なプル :  ローエルボーへの誘い その2 4.効果的なプル)に書いたが、円月プルの前半は、親指から小指の方に向かう水流を作り、後半は小指から親指に向かう水流を作る。

これは、手の平の基から5本の指先に向かう水流よりも、揚力を得る効率が高い。飛行機の翼が細長く横に突き出しているのと同じ原理である。

それゆえ、手の平は、板に押し付けた時のように、真っ平らになることを目指そう。これは意識しないとできない。

そして、やってみると解るが、真っ平らな手の平にすると、水に対して採る角度、動かす適正な角度を精確にする必要も出てくる。揚力の出方が良く解るからだ。

目安としては、50〜60度(参考;正三角形の斜面が60度)にする。簡単に言うと、右腕であれば「く」の字を描くように、手の平は真後ろを向けたままで、前半、後半で角度を変えれば良いだろう。これは、ストローク数と泳速によって異なるので、実際にやってみて効果的な角度を体得する必要がある。

(注:一番効率が高い迎角は、静止水に対して30度程度である。速く泳ぐならば、円月プルの円弧を、それに応じて縦に伸ばして楕円にしていく必要がある。流れに対する手の平の角度は常に直角にする、つまり、真後ろに向ける。そして、プルの角度であるが、仮に25mを30秒、16ストロークくらいで泳ぐならば、 プルの円弧を縦に伸ばし、プルの見かけの角度を50度くらいになるような楕円にすれば良い。)

さて、論題が若干逸れたが、問題は泳速を上げることである。

それゆえ、このプルも、いかに、楽にできるか、そして、身体全体の動きの調和のために、どのような動きをすれば良いかが課題となる。

しかし、プルについては、今後、必要に応じ、戻ってきて修正していくこととし、ここでは、ひとまず、腕の動きは円月のままにしておいて、次に進みたいと思う。

次は、大きな課題、身体全体で前進させる力を得る方法を追求してみようと思う。つまり、魚に近づきたいということだ。

 

2.身体丸ごとスクリューになりたい

水を斜めに切っていくことによって推進力を得るスクリューあるいは艫の動きというのは、いろいろな方法で実現できる。

ちなみに、大きなローリングの動きに合わせて、身体に巻き込むような円月泳法の腕のプルは、体幹に付着したひだのようになってスクリューのような役割を果たしている。

水を斜めに切っていくことは、力が要らず、効率的な泳ぎができるのだ。

しかし、円月のように、主としてローリングと腕の動きに依存するだけでは、これ以上の推進力の楽な向上は見込めそうもない。

したがって、意識的に体幹を使った、体幹をねじれによって、水を後方に押し下げていくことを実現していきたいと思う。何しろ、背中や腹の面積は大きいからである。この部分を使わない手はない。

まず、直感的に考えられる単純な方法は、身体をドリルのように使うことだ。

つまり、頭がドリルの先端とし、水を掘削していくのは左右の肩であり、水を後方に押し出すのは、上体から腰、足に続く身体の捻りだ。

ドリルは刃の形も固定されモーターで同一方向に回り続ける。しかし、人には同じ方向に回り続けるための動力が見当たらないので、肩や腕の左右の反転に応じて、左に右にと捻ることになる。

すなわち、ローリングをしていくときに、腰が時間的に遅れて回転していく必要がある。

そして、ローリングの頂点に達した時に、腰の捻りが追い付いていって、体全体が真っ直ぐの平らな板になり、そこから、腕が先導して逆の回転に入る。

足も活用したいが、一度には修正できない。最初は、ひらひらさせて置こう。邪魔にさえならなければよい。つまり、蹴らなければ良い。

プルのしかたにも選択肢がありそうだが、とりあえず、円月プルでやってみよう。

うまくできるであろうか?

 

次の記事を読む 40. 楽に、より速く (その2 続・身体全体をスクリューに)

 

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