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やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

13. らくらくクロール その5 万歳泳法

らくらくクロールシリーズに、もうひとつの型を加えておこう。その名は、

万歳泳法

この泳ぎも、これまでと同様、私のように肩のかたい人に奨めたい。普通のクロールで、肩周りの筋肉、つまり、三角筋僧帽筋などが、疲れる人にお奨めだ。

その他、下肢が浮かない人にも、浮かすひとつの方法として、きっと興味深い練習になるだろう。

この泳ぎは、前回の「下段突き泳法」の変化形とも言えるので、一度、前回記事も参考にしてほしい。

この泳ぎも、本当に簡素で、単純であるが、ダイナミックである。おそらく、プール端から見ると、結構奇異かもしれない。空中の腕の動きに特徴があるのだ。

1. 基本姿勢と身体の動き

この泳ぎの基本形は簡単だ。

水平に浮かんで、なるべく、ぺったんこに万歳姿勢をとり、くるりと90度回転して、真横を向いた姿勢だ。

顔の向きは、真横を向くよりは、プールの底の方に傾け、中央線を横目で見ると言う具合だ。

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さて、このような姿勢をとるためには、プルした手を大きく抜ききったあと、写真のように身体の真横、つまり天頂をとおって真っ直ぐ伸ばしたまま、進行方向中心線の空中に下ろすことだ。手の平はコースロープに対面している。

当然、肩の可動域に限界があるから、その関節や筋肉の可動域の限界の角度で止まるだろう。勢いよくぶつければ、若干バウンドした感じを持つかもしれない。そうすると、前のめり感(この場合は「横のめり」というのが正しいのか?)があって、重心を中心に前方へころがる回転力が発生し、これが下肢を浮かす力として働く。もちろん、恒常的に働く力ではないので、一瞬のことではあるが、下肢を浮かす方法のひとつとしてのしくみを体感できるだろう。

このリカバーの後、適度なグライドがあるが、そのうちに減速し、リカバーの手も沈みはじめるので、そうしたら、一旦、全身を一瞬弛緩させる。特に、水中に伸ばした腕の肘を緩めると、自然な弧を描く。おそらく、クワガタ泳法の腕の形になるだろう。この時点がキャッチとなる。

そこで、下段突きやクワガタ泳法に近いプル、及び、対向する足のキックを同時に行うと、身体は瞬時に180度回転する。前記事と同じく手足を含めた平らな身体が、一気に反転するのだ。

以上が動きの概要である。

この泳ぎもラクであるが、意識的に足を浮かせることができるので、ストロークのテンポも自由に加減できる。

ローリングを大きく、特に90度にとる泳法は、グライドの時間を自由にとることができ、息継ぎの間隔、ストローク数、泳速を気にしなければ、失速するまで待つことが可能である。

ちなみに、私は、この泳法でも、他の泳法と同様なペースで泳いでいる。

2. 泳ぎの分析

この基本姿勢も、90度のローリングを要求するので、キックに関して言えば、キックなしでも問題ないが、ローリングのスピードが遅くなってしまう。180度反転できれば問題がないのだが、できれば、内股で、しなやかに打つ2ビートがお奨めだ。

なお、この泳ぎでのリカバリーは、前記したように、前に転がるような回転力を生む。そのため、この力は、両肩をもその回転方向に向けて回転させるので、水底に伸ばした腕は、自然にプルを始めることになる。そのため、プルし始める直前に、手の平を後方に一旦向けるほうが良い。キャッチを完全に行うためである。ただ、一旦胸の前まで降りてきた段階で、後半のプルは仕切り直しとし、一旦身体を緩め、前腕を横に寝かせて流れにさらして大きなキャッチを行い、ロールしながら円月に揚力を利用したプルで振り切りたい。

3. グライド時における重心の比較分析(鉤腕、下段突き、万歳の3泳法)

(1) 水中に突き出た腕

3つの泳法では、完全に横向きになってグライドするが、その時の水中に突き出す手は、力を抜いて水底の中心線に向かって出している。

その時、鉤腕泳法では、十手のように鉤型に腕を曲げており、目の前あたりに手首があるはずだ。これに比較して、下段突き及び万歳泳法では、まっすぐ伸ばして、もっと前を指しているであろう。

この位置と形状の違いにより、水中に伸ばした腕の重心は鉤腕泳法のそれより、他の2泳法それのほうが前方にある。

つぎに、その腕に受ける水流の抵抗であるが、角度にもよるので一概にはいえないが、下肢を浮かす分力となる水底に向かって押さえられる力については、下段突きおよび万歳泳法では生まれるので、これらのほうが下肢を浮かせるのはラクであろう。

(2) リカバリー後の腕

今度は、リカバリーの手についての重心移動の効果を分析しよう。

鉤腕および下段突き泳法でのリカバリーの腕は同じ形をしており、敬礼のように頭上前で止める。かたや、万歳泳法は、万歳のように空中でとどまり、一定の角度あるいは水面近くまで降りて急に止まる。

その形状と位置から比較すれば、明らかに、万歳泳法の方が他の泳法に比べて、腕の重心がより前方にあり、その分、下肢を静的に浮かせる効果があるといえる。

動的には、リカバリーした腕を、意識的に急に止めることにより、その慣性力によって、一時的に、身体が縦方向に回転し下肢を浮かせる効果がある。また、その大きさは、万歳泳法のほうが大きい。

 したがって、これら3泳法を、下肢を浮かせる効果だけに限定して比較すれば、万歳、下段突き、鉤腕泳法の順に大きい。

なお、それぞれ、特徴が異なるので、ラクさという点に関しては、それぞれの泳者の感性によるところであろう。