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やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

12. らくらくクロール その4 下段突き泳法

らくらくクロールシリーズに、また、もうひとつの型を加えよう。その名は、

下段突き泳法

この泳ぎも、私のように肩のかたい人に奨めたい。

折に触れて再三説明したが、私の腕はまっすぐ前から上にあげていくと、斜め上45度、つまり下からだと135度だが、それくらいまでしか腕が上がらない。そして、それ以上、はおろか、これを保持するだけで、とても肩周りの筋肉、つまり、三角筋僧帽筋などが、疲れる。

写真で示せば、左腕のようにB方向真上に伸ばしたいところなのに、手前のAまでしか挙がらないのである。

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それゆえ、当初頑張ってみたTIswim等の泳ぎの進歩に限界を感じたのであった。TIでも、ゼロポジションで腕を伸ばすにしても、手の平を外旋して伸ばすのは、私にとっては、疲れるのだ。

そこで、開発したのが、当ブログの記事で紹介した、円月泳法、クワガタ泳法、やぎロールである。それゆえ、これらは、特に、腕の前方への突きを要求していない。

しかし、もう少し、突きに関して、追求してみることにした。きっかけは、古式泳法のひとつである神伝流、すなわち、多分、今の横泳ぎである。小さいころは、これで泳ぐこともあったし、らくな泳ぎだった。知らない人はネットでも見られるが、神伝流では、思い切り前方(つまり横)に腕を突くのである。それでも疲れない。なぜか?

神伝流は、横泳ぎなので、どちらかの真横の方向に向く。ここでは、仮に左側を向くことにしよう。つまり、左のコースロープに身体を正対させて、横あるいは、斜めに浮かんでいる。

最初に、両手の掌を胸の前にぴったり合わせ、頭と一緒に合わせた手を、「しあわせ〜」というようににっこり右に倒す。そして、一気に、左右の手を滑らせて、右手をまっすぐ進む方向、つまり右方水面に平行に、突き出すのである。これと同時に、左手は、左腿めがけて肘を伸ばして水を押し出す。要するに、右手を前方(右)に、左手を後方(左)に一文字に引き離すのだ。ここでの推力は左手で生まれる。まあ、このとき、足はあおり足を使うのだが、説明はここまでにしよう。本筋ではないからだ。

ここで言いたいことは、ここではなぜか右手の肩に負担がかからないのかだ。

何が違うのか?

一番の違いは明らかだ。突き出す方向が肩の延長上の斜め前方ではなく、真横、つまりこの場合、進行方向に腕が真っ直ぐ出ているからだ。だから、水流による抵抗がない。この時の腋の開いた角度は、110度くらいのもので、挙手した感じがない。それゆえ、私の嫌いな「三角筋への負荷」もほとんどない。

次の相違点は、腕が外旋しておらず、自然に伸びていることだ。

というわけで、そうだ、斜め前でなく、腕は横に出せばいいんだ、ということに気がつき、この形を目指して工夫してみたのが次の泳ぎだ。これも、結構、らくらくクロールになった。

下段突き泳法

この泳ぎも、本当に簡素で、単純である。そして、これまでのものとは似ているようで意識するところが結構違っている。

1. 基本姿勢と身体の動き

まず、クロールなら何でもよいが、仮にTIのクロールでコースの真ん中を泳いでいる状況を想定してみよう。

今、リカバーしてきた右腕が、敬礼に近い形だとしよう。つま、右手が弛緩して頭の前方に肘を上に、手先は水面に触れるくらいに垂れている。左の腕は、前方に保たれたまま伸びている。

実は、この形は、何かを投げる形に似ている。例えば、野球のピッチャーであれば、右投げであれば、左腕は、キャッチャーの方に引っ張られるように伸び、右腕の二の腕は胸板と同一面上にゼロポジションに伸びて、肘から先は緊張が解かれ、肘は直角に、手首から先は耳の上に垂れている。おそらく、ローリング角を大きくとれば、もっと、この形に近づくのではないだろうか。

さて、泳ぎに戻ろう。この姿勢で、まず、瞬時、全身を弛緩させる。左腕はゆるんで半弓状になりキャッチができる。(左足はキックの準備で膝が緩ませる。)右ロールが始まっていく。

今や、右腕を一気に突く時点にさしかかっている。TIでは、2軸を意識し、右肩の前方に斜めに突くだろう。しかし、この手裏剣打ち泳法では、ここでは、真っ直ぐ斜め前に突くのではなく、ねじ込むがごとく、水底の黒い中央線上、一気に手のひらを突き込むのだ。突き込む角度は前方に越したことはないのだが、ラクな範囲でよい。

突き込んだ手のひらは、真横である左を向いている。身体も、ほとんど真横近くまでローリングさせる。この時の右腕は、胸板と同じ平面上に真横前方に差し出されていることになる。おそらく、ラクな角度は、水面から60〜70度くらいではないか。

左手のプルは?

野球をやる人は知っていることだが、ピッチャーが球を投げる瞬間は、投げる腕には力を入れないで、キャッチャーに向かって伸ばされた反対側の手を臍に叩きつけるように引き込む。これによって、両肩が一気に旋回し、右肘がしなやかに前方に押し出される。これと同じである。スポーンと右手を投げ込むのと左腕を臍までプルするのを同時に行うことにより、胸板が180度ひっくり返る。これは、同時に行われる左のキックにより、確実に行われる。

臍までプルされた左腕は、そのあと惰性で旋回して自然に今度は左側の敬礼の位置まで戻ってくる。

この時の姿勢がこの泳法の基本姿勢であり、グライドしている時である。さかなのカレイを立てたように、ぺったんこである。真横前方に右手をプール底の中央線に伸ばして潜行している姿だ。左手は真横に敬礼し、頭は右に回して横目で中央線を見ている。

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さて、今度は、左を突き込む番だ。同様に、手のひらを中央線めがけて真っ直ぐ縦に投げ込む。同時に、右のキックを鋭く入れる。蹴ったあとの足先は常にぴったり閉じておこう。

このキックと突き込みで、身体は瞬時に180度回転する。まっ平らな身体が、一気に反転するのだ。プルに関して言えば、完全な一軸泳法だ。

呼吸は、円月やクワガタと同じタイミングで何の問題もないだろう。

これだけだ。

泳速やストローク数に関しては、クワガタ泳法とあまり変わらないようだが、この泳ぎのラクさ加減は、私にとっては相当なものである。

まだ、始めたばかりであるが、ちなみに、私は、25mを、壁を蹴らずに、14ストローク、30秒ほどで泳いでいる。

2. 泳ぎの分析

ぺったんこの基本姿勢は、90度のローリングを要求する。

それは、次の理由による。

横前方に伸ばされた腕は当然、前から水流を受けるが、その力は、身体の重心を中心として、ぺったんこの身体の面を回転させることになる。基本姿勢のように、水面に対して、身体の面が垂直にあり、水底前方に向かって腕が伸ばされていれば、その力は、下肢を浮かせるモーメントになるが、その面自体がずれた場合、必ず、身体のストリームラインを横に回転させるモーメントになって、水流の抵抗を受ける姿勢になってしまうからである。

そのため、90度までローリングしない場合は、この泳ぎにならない。

その場合は、既存の泳法のように腕を斜め前方に伸ばして手の平を水底に向けるか、あるいは、円月もしくはクワガタ泳法になるであろう。

つぎに、

伸ばす腕の手の平は、身体の面と同じ向きにする。

横に伸ばす腕は、水流抵抗や重心移動の観点から、可能なかぎり前方に出したいものだ。しかし、地上に直立して腕を横に自然に挙げてみれば解るが、自然に挙げると手の平は前を向いているのではないか。手の平を、下か上に向けて挙げた場合、腕は水平を越すと挙げにくくはならないだろうか?

それゆえ、この手の平は、その方がラクであるだけでなく、重心を前方に保ち、また、この形が一番、水流の抵抗を受けない形であるが故に、自然に身体の前向きにするのがよい。

3. 変化形

(1) やぎロールへ

この泳ぎも、鉤腕泳法と同様に、ヤギロールに似たのスタイルに移行することができる。

一回一回のストロークでいちいち反転するのが、煩瑣であるかもしれない。そんな場合は、リカバリーしてきた腕で、もう一度プルしてみて欲しい。

息継ぎは、反転した直後の方がやりやすいであろう。ヤギロールスタイルでは、左右で同じように息継ぎをするために、左右のバランスがよくなり、息継ぎによる癖のあるゆがみができにくい。是非試してみて欲しい。

(2) ロールを小さく、大きくキック

下半身のロールを抑え、足を緩めて、大きいキックをする。

大きい、前進させるキックは、「18. 2ビートキックの効用」で紹介しているので参照していただきたい。

これにより、テンポも上がるし、泳速が上がる。手を前方に伸ばす泳ぎより効率が良く、ラクに静かに泳ぐことができる。