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やぎさんのオリジナル泳法のすすめ

楽に、静かに、できれば速く、還暦すぎてのラクラク健康スイミング (円月泳法、鉤腕泳法、八の字泳法、招き猫泳法、らくらく2ビート背泳、やぎロール、イルカ泳ぎ等)

05. 背泳編 2ビートのらくらく背泳ぎ

新しいウェブサイトは、「やぎさんのらくらく健康スイミング」(http://swimming.uetsuki.info)。

 

一年前くらいから始めた背泳は、私にとって決して楽な泳ぎではなかった。仰向けだから楽だろうと思うのに、バタ足は疲れるし、顔にも水がかかるし、呼吸も楽にならない。そのうちに4ビートや2ビートを試しているうちに、みるみる楽になっていった。タイムも最速25秒(25m)くらい出るようになった。

また、いろいろな泳ぎを試してもみた。プルの軌跡、リカバリーの方法。リカバリーについては、いかに腕の重さを利用して慣性を前進に資することができるかいろいろやった。例えば、手を肘で引き抜いて前方上方に放ることによって勢いをつけるとか、肘で折りたたんでから前方に槍のように突き出すといったことである。しかし、これは、あまり効果が得られず、水もかぶったりもする。特に、足とのコンビネーションもいろいろ試した。3拍子6ビート、4ビート、2ビート等。それから左右のバランスで、片側同時の「なんば」泳ぎと。

半年ほど前にチャックさんに質問しつつ、チャックさんの2ビート背泳を習得しようと、練習してみたのだが、結局、そのとおりにはできなかった。

この間、私のリカバリーの腕の動きがロボットのようだと他からの評判も悪かったこともあり、結局、一番楽な形で落ち着いたのが、やはり2ビートであった。

この形では、水の抵抗が少なく、リカバーする腕の前方への振り出しによる慣性力と伸びやすさによって水の上をグライドできる感じがあり、余裕があることからピッチも緩急自在にコントロールもできる。

というところで、私の、らくで、伸びが感じられる泳法を紹介する。この泳ぎは、名前をつけるほどのものではないので、特につけていないが、とりあえず「らくらく背泳ぎ」といっておこう。

らくらく背泳ぎ 

私が通常泳ぐ背泳は、25mを12~16ストローク、30~35秒くらいである。それより速く泳ぐときは、プルに力を入れ、より遠くに手を伸ばし、回転のピッチを上げ、もっと早くするには、3拍子6ビートのキックにする。逆に、ゆっくりしたピッチでは、壁を蹴らずに、13ストロークで泳ぐ。

ここでは、2ビートのゆっくり、らくらく背泳ぎを紹介しよう。

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原則 足を浮かせること

らくらく背泳ぎで一番大事なのは姿勢である。

このブログで紹介するどの泳法も同じであるが、肝心要は、下肢を浮かせることである。それでなければ、斜めになってモーターボートのようにキックを頑張らねばならなくなるから疲れるし、自由なピッチコントロールもできない。それでは、ラクにならないからだ。

しかし、あお向けになって、ぷかっと浮かべば、だんだん下肢が沈んでくる。では、どうするか?

完全にぷかっと浮いて沈まずにいられるというのは修練を要するだろうが、そこそこに困らない程度にはできるようになる。そのうちに、キックなしでも泳げるようになる。

基本原則はクロールと変わらず、要は、重心を前にもってくることである。だが、背泳ぎでは、すこし工夫が必要である。ではどのように?

 (1) 肋骨を上げる

ずばり、肺をいつも膨らませておき、胃を肋骨の中にしまうよう努力する。

すでにクロールで説明したが、肋骨を持ち上げれば、肩甲骨ともども肺の周りの骨や筋肉が前に移動し、重心も前に移動する。同時に、肺が膨らむことによって、全体の浮力が増し、沈みにくくなる。浮力の中心より重心が前に来れば、下肢が浮き、上体が沈むという原理だ。できれば、重心を肺の辺りまであげたいものだ。そこで、

(2) 腹筋を締める

胃を肋骨の中にしまうように、腹部を締める。そのことによって、内臓が上に移動するので重心がもっと前に移動する。また、これにより、姿勢がまっすぐになり、水流の抵抗が減る。身体は反らせず、できれば少し「くの字」になるつもりで締める。足が落ちそうになったら、少しひざを緩めても良いので腰を反らせないこと。また、顎を少し引きぎみにすれば、頭の重さでも下肢が少し持ち上がる。船形にするくらいが良い。そうするために胃を肋骨の中にしまうのである。

その他、バタ足は、すればするほど、下肢の血流量が増し、下肢が重くなることに留意する必要がある。それゆえ、私は2ビートにしているし、あまり使わないこともある。さらに、プールに入る前に、プールサイドで、腰を下ろし、足を中空に上げてぶらぶらゆすり、血液を上体のほうに集めることで、足を軽くするのも良い。

(3) 腕の動き

上記の(1)(2)だけでは、水平には浮くことはできない。腕の重さは相当なものである。なので、腕を前方に置く時間を長くすることだ。一番良いのは、両腕を同時に前方におくことができれば、そうした泳ぎを開発されると良いだろう。つまり、プルを始める前にできるだけリカバーしてしまうということだ。残念だが、私はそれができず、ローリングの邪魔にもなるし、ラクにならないので、左右の腕はほぼ反対側になるように動かしている。要するに、プルとリカバーを同時に始めるのだ。

原則は以上である。これを実践して、それぞれの個性にあった泳ぎを開発していただければよいと思うが、肩がかたく、腕が身体の延長上に伸びず腕が前方上方の視野にとどまっている私なりに工夫していることもあるので、参考までに以下、そのコツを紹介しておく。

らくらく背泳ぎの流れ

一旦プールの壁を蹴って、仰向けに蹴伸びし、前方に伸ばした両手のうち、まず、左手をどのようにでも一掻きした後で、右手をプルすることから説明を始めよう。この時、左の手の平は大腿の横でプールの底を向いている。

(腕や肩の動き)

右腕を一旦脱力する。腕がフック状または三日月状になる。この時、その腕は思い切り外旋しており、野球で言えば、オーバースローのでボールを投げる格好にある。この時、重要なことは腕を肩の後ろに持っていかないことだ。つまり、上腕は万歳をするときの方向であって肩にねじれがおこらないようにする。この一旦ゆるめた状態の腕を使って、今度は水を掴んで腕相撲の動きで肩甲骨を固めるようにして腕のフックの形を変えずに胸の前に倒し、そのまま後方に押しこみ、最後は大腿の裏に水を軽く捨てる感覚だ。この最後のスナップは、身体をローリングさせる効果がある。

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さて、重要なことだが、この一連の動きは外旋した腕が戻されて内旋しきるまで過程ではあるのだが、実は、肩関節を中心として腕が行う動きであってはならない。どんなスポーツでも、腕に力を入れて動かす時には体幹と一体で動かすと大きな力を発揮する。そのためには、腕を肩甲骨に固定するような気持ちで肩甲骨から動かすことだ。プルの最初で腕を緩めたとき、その時の肩甲骨は後ろに押し付けられて背中にめり込んだような状態であると思う。その肩甲骨を持ち上げつつ前に回転させるのだ。そうすると、自然と右腕のフックはその右肩がすくんだ状態で蟹の手のように目の高さに水平になるまで降りてくる。ここまでが、腕相撲の前半である。後半は、すくんだ肩を肩甲骨で行くところまで押し下げる。これにより前腕が水平になったまま腰まで降りるはずだ。後は、余力で軽く大腿の裏に向かって軽くスナップするだけだ。この一連の動きは腕の力でなされるものではなく、大胸筋や体幹の筋肉が不自然な姿勢を通常に戻す動きなので、ラクなのである。結果的に、フックになった前腕の角度は、進行方向に対して90度に保たれて腹まで押し下げられることが確認できるだろう。これは、ストレートなプルになるので、キックなしでも下肢がブレることはない。

さて、今、右腕をプルしたわけであるが、私はこの肩甲骨の動きにジワーッと力を入れる。また、これと同時に、左腕をリカバーする。リカバーのタイミングは、重心を前に保つためには、もっと早いほうが良いのだろう。しかし、私にとっては、力を入れるタイミングが分散するのがうっとおしいので、プルとリカバーを同時に始めている。後述するが、それでも、十分、下肢を浮かせる方法があるからだ。

リカバーは、プルの反作用として左肩を一気に持ち上げて左に乗り上げるようにローリングを開始し、腕を勢い良く上方に振り抜く。そのスピードは速いほうがよい。その方が、重心の移動が早くなるほかに、腕の重さを利用した慣性による推力が働くからである。

プルは肩甲骨の最上段から最下段まで下ろす動作であるが、これを実現するためには、反作用としてもう一方の肩甲骨が上がる。左の肩甲骨が上がりきった時に逆の左ロールが始まっており、肩から左腕を抜いて放り投げる。さて、それで下肢が沈まないのかであるが、そこで、振りぬいた腕の去就がそれを左右するのだ。

ここからは私の独自の方式となるだろう。実は、そのリカバーの腕は、水面に降ろさずにしばらく留め置くのである。それはなぜか?

当初から記しているが、私の肩はかたく、前方に振り切って伸ばした腕は、身体の線から150度ほどしか開かない。180度開けば腕は水面に落ちるが、私の場合は、落とそうと思っても落ちないのだ。それゆえ、「降ろさずに」とは書いたが、実際は「降りずに」残っているのである。もちろん、ローリングにしたがって、肩は水没しては行くのだが、最終的に前腕が水没するまでは時間がかかる

腕を抜いた時点では、右にローリングして最大になっているはずである。そして、空中に残った左腕の重さと、右手のスナップで左にローリングを始めることになる。左肩を肩甲骨ごと目一杯前方に伸ばすことに留意しつつ、やがて左手の甲が着水する。この腕が空中に残っていることが、実は非常に役に立っているのだ。

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これは、TIのクロールでいえばサメのポーズに相当するもので、この重さ自体が、浮力の中心を支点にして下肢を持ち上げる強力な助っ人になっているのである。したがって、ここでは身体をまっすぐに保つために腹筋を締める必要がある。そうして導かれるローリングの過程で、頭から前方に滑りこんでいくような爽快な伸びが感じられる。

このメカニズムは、ピッチにあまり影響を及ぼさない。つまり、下肢がコントロールされているからである。それゆえ、まだ、足に言及していないが、2ビートでも、6ビートでも、キックなしでも、目的に応じて、どのようなキックを使うかは、足の使い方は自由となるし、非常にゆっくりしたリズムであれ、速いリズムであれ、思うままなのである。私は通常、リズムとして、4拍子をとる場合は、1でプルを開始、2、3、4でリカバリの腕でローリングを沈めていき、ゆっくり伸びる。ともあれ、腕が空中にある時間は安心して伸びていられるのだ。この滑る感触は非常にゆったりと気持ちが良い。ラクなのである。

さて、一連の片側の腕の動きはこれで終了し、今度は左腕をゆるめ、反対側のプルが始まる。

(足の動き)

上記したように、らくらく背泳ぎでは、足はご随意にということだが、ここでは2ビートを推奨しておこう。というのは、キックなしよりは、はるかにリズム感が得られるし、ローリングも加速することができるし、後方へのプッシュにもなるからである。

キックのタイミングは、プルで力をこめる時、その腕と対角の足を蹴る。すなわち、力を込めるタイミングは、プル、リカバー、キックが同時である。その方が、わかりやすいし、力を入れやすい。逆に言うと、動きは一瞬であり、その他の時間は殆ど弛緩しているのである。だから、疲れず、ラクなのである。

さて、具体的な蹴り方にも触れておこう。クロールの場合には両足を揃えた位置からするどくしなやかなキックを繰り出したのに対し、ここでは、少し膝をゆるめて、足首が沈んだ状態で、内股気味に蹴る。縦に蹴るよりは、おそらく下肢が浮きやすいはずだ。膝は常に接しているほうが良い。ローリングの最大期であるから、蹴る足は上側(水面に近い方)で、蹴る方向は横斜め上、これが次のローリングを速くする効果を生む。また、蹴っている時間が長くなるので、安定が良い。さらに、蹴った後、左右の足首を重ねてしばらくグライドするのも良い。これは、まっすぐの姿勢を安定させると共に、足回りの水流を滑らかにし、ローリングもスムーズに進行させる効果がある。

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もっと楽にするためには、煽り足のように両足で前後に挟むように蹴るのもよい。推進力も増加する。

それゆえ、ゆっくりロールしたいときには、自分の足首の柔軟性と相談して、なるべく後方に蹴るような角度を工夫したらよいだろう。また、速度を上げたい時や、好き好きで、4、6とビートを増やすのも悪くない。しかし、ガンガン蹴るのはらくらくスイミングの趣味ではないので、仮に6ビートにするのであれば、1,2,3 1,2,3と三拍子で1に力を入れ、あとはプラスαのリズムを切る程度にふにゃふにゃ動かすようにすれば、力を入れるタイミングは2ビートと変わらず疲れなくてすむのではないだろうか。

(呼吸)

 息継ぎであるが、上を向いているのだからいつでも呼吸できる。しかし、冒頭に一番大事なこととして、肋骨を持ち上げることを書いた。これを守るためには、やはりいい加減に呼吸しないほうがよい。常に肋骨を上げ、肺を膨らまそうという努力が大事なのだ。そのためには、タイミングを決めて、例えば、右側のプルの時と決めて、素早く行ったほうが良い。もちろん肋骨を上げたままなので、吐く息は肺の半分ほどとなるが、これで足りるであろう。

既に触れたが、この泳ぎでは、まっすぐ天井を向くよりも、若干顎を引き気味にしたほうがよい。そのほうが、顔が水没しにくく、身体も反りにくいし、頭の重みの反作用で下肢の浮きを支える効果があるからだ。しかし、顔に水がかかるのは、ある程度しかたがないものだから、これに対しては、鼻からはほんの少しずつ息を吐けるようにしているほうがよい。